俳優として確固たる地位を確立していた(藤田まこと)が
コテコテのコメディアンであったことを、
今の時代の方はご存じだったでしょうか?
最近、CSでセレクト8話が放送されてましたね。
『てなもんや三度笠』この番組が 故・藤田まこと さんの「出世作」だったのです。
あんかけの時次郎(藤田まこと)と、坊主の珍念(白木みのる)が
繰り広げる、『てなもんや三度笠』は、
大阪64.8%、東京42.9%という驚異的な視聴率をマークした、
’60年代の大阪の朝日放送制作の公開収録のテレビ番組でした。
そもそも、
あんかけの時次郎の名前の由来は、
市川雷蔵の主演映画「沓掛(くつかけ)時次郎」(1961年・大映)の
パロディとのことでした。
当時の公開収録の技術で考えると
このクオリティの芝居を舞台で、
しかも生でやっているってのがすごい。
また藤田まこと、白木みのるの声量の素晴らしいこと。
ふたりとも役者に加えて歌手という看板を上げているのもうなづけます。
あらためて今見て、
やっぱりすごい番組だったと思うのです。
モノクロの映像なのに、
ものすごく華やかに見えたものでした。
まだ今のような録画編集技術がなかったため、
生放送風の撮って出し収録でした。
スタジオに組まれたセットの中での、
すばやく展開する物語を生本番でミスなく演じる出演者と、
それを支えるスタッフの姿はまさに職人芸でした。
「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー」のCMで
『てなもんや三度笠』は始まります。
この時のオープニングで、時次郎にやられる相手役は、
的場徹という時代劇などの殺陣師でした。
後に、吉本新喜劇の原哲夫に代わりました。
出演者には、
鼠小僧次郎吉(ねずみこぞう じろきち):南利明
お銀(おぎん)・千太(せんた):京唄子・鳳啓助
水上三四郎(みなかみ さんしろう):入川保則
浪路(なみじ):山東昭子
三平(さんぺい):平参平
駒下駄茂兵衛(こまげたのもへい):香山武彦
西郷隆盛(さいごう たかもり):柳家金語楼
道化(どうけ):博多淡海
熊(くま):西川きよし
ちょろ松(ちょろまつ):ルーキー新一
松平竹千代(まつだいら たけちよ):茶川一郎
まゆみ:野川由美子
蛇口一角(へびぐち いっかく):財津一郎
天野八郎(あまの はちろう):芦屋雁之助
山岡鉄太郎(やまおか てつたろう):里見浩太郎
早瀬数江(はやせ かずえ):水前寺清子
河内山宗俊(こうちやま そうしゅん):三波伸介(てんぷくトリオ)
暗闇の丑松(くらやみのうしまつ):戸塚睦夫(てんぷくトリオ)
中村雨之丞(なかむら あまのじょう):伊東四朗(てんぷくトリオ)
おこま:山本リンダ
かも平(かもへい)・ねぎ作(ねぎさく):横山やすし・西川きよし
四ツ目屋東十郎(よつめや とうじゅうろう):トニー谷
天王寺屋塔兵衛(てんのうじや とうべえ):伴淳三郎
※この他に、星十郎、岸田一夫、大村崑、高橋元太郎、榎本健一、
世志凡太、花菱アチャコ、中田ダイマル・ラケット、コント55号、
チャンバラトリオ、 漫画トリオ、ザ・ドリフターズ、かしまし娘、清川虹子等が
出演していました。
また、
キャストを一新して、
てなもんや三度笠を
ぜひやって欲しいものです。